もくじ

実はこの本、いまでは絶版になっているようで、Amazon で「¥180,000より」となってます。手元にあるのが1996年発行の初版なのですが、もう20年近く前の本です。

ゲーミフィケーションやレベルデザインについて、できるだけ純度の高いものを探していたらコレですよ。こういうのは図書館で。
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この本の面白さはさておき、こちらのサイトの「ドラクエにでてくる言葉に関する考察」がすばらしいです。
ゲームと言葉

他にもコラムがあります。
ゲームの部屋(本館)

TVゲームを読み解くヒント

イントロダクション TVゲームの本質とは何か?

ファン・アイクの「アルノルフィニ夫妻の肖像」という絵画は、男女の肖像画の片隅にリンゴやオレンジが置いてある。果実は宗教的に人間の原罪を象徴するもの、シャンデリアに灯る1本のローソクは、中世以降、婚礼の燭台と呼ばれる婚礼のシンボルだった。細部に目を向けて解読していくことで、この絵画は2人の結婚当日に記念に描かれた事実が見えてくる。

ゲームの世界も、しっかりとした裏付けと言葉による表現を使って、同じような読み取る行為が可能ではないかと考えた。

TVゲームとハードウェアの関係(TVゲームはハードウェアを選ぶのだろうか?)

作り手が表現したいアイデアが、ゲームとして実現できるかどうかは、ハードとソフトの両方の技術力に左右される。ただし、テクノロジーが進化するレールの向こう側にだけ、価値あるゲームが生まれる可能性がある訳ではない。意図的に色を落とすというローテク化が、うまく演出に繋がっている例もある。

独創的なイメージを、しっかりと構成されたゲームに仕上げるには、実現するのに必要な技術力があればいい。優秀なプログラムでなければ良いゲームではない、ということではない。

既存の技術を下敷きにゲーム開発をしていた制作者たちは、画面のリアリティを上げるために、レゾリューション(解像度)と色数をひたすら増やしてがんばっていたが、そろそろ限界を感じていた。リアルな絵を描いても、そこにあるかのようには動いてくれなかった。リアリティの重要なポイントは動きであると再認識された時点で、ポリゴンがはじめて表現技術のメインステージに上がってきた。

TVゲームの題材と動機(何をモチーフにしてTVゲームを創るか)

スターウォーズ、宇宙戦艦ヤマト、銀河鉄道999などのブームと、スペースインベーダーの登場はタイミングが一致している。思想的背景や社会的背景の裏打ちが強くあって生まれたゲームに関わらず、それを受け手に感じさせない何かが働いている。

ゲームを作るには時間がかかるので、そこでしぶとく戦える精神力が必要。こなれた大作を、3ヶ月や半年でお手軽に作っている訳ではない。

ゲームデザインの深淵(TVゲームにおけるルールの発見と発明)

ゲームは、ルール、演出、モチーフの3つの要素から成り立つ。演出はグラフィック、音楽、サウンドエフェクトなど効果を指し、モチーフは芸術において表現活動の動機、あるいはその中心思想を意味する。ルールは、人とコンピュータ、人と人との間で守る規則を指す。ゲームの楽しみ以前に、遊びの原型として何を取り組んでいくのかを意識する必要がある。

ある物語をより面白くするために、サブキャラクターを作るという追加手法がしばしば試みられる。

スーパーマリオシリーズでは、最初ちびマリオが表れる。パワーアップキノコを取るとスーパーマリオに変わり、今までぶつかってもたわんでいたブロックが派手に壊れるようになる。それによってマップ地形が変化していき、プレイヤーの状況が、ちびマリオを操作していた時と明らかに異なってくる。キノコを取ったちびマリオがスーパーマリオに変わるとき、スイッチが切り替わるようにゲームのルールが置き換えられる。これをゲーム性のスイッチングという。スイッチングはゼビウスやグラディウスもいい例になる。空中戦だけのゲームと、地上戦だけのゲームが、同一画面で同時に進行している。

パックマンでは、4匹のモンスターが追いかけてくる。その動きを決めるとき、乱数を使ってはいない。モンスターの動きはロジックでがっちり決まっていて、常に再現性があるから良い。面白いゲームは再挑戦性が高いが、再挑戦性とは、一度失敗したところを次は失敗しないと思えるかどうか。

スペースインベーダーにも乱数はない。UFOを打つと50〜300点まで変化するのは、ビーム砲を打つ度に50〜300点まで変化しているから。ビーム砲を14発まで数えて調整することで300点を出すことができる。

ゲームの歴史をたどっていくと、ターニングポイントがいくつも見えてくる。シューティングゲームの中でも、上下撃ち分けのアイデアで、スクランブル→ゼビウス→グラディウスと枝をつなぐことができる。同じアイデアを使いながら、視点を横から縦に切り替えることで、ゲーム性まで変化している。

カイヨウの遊びの定義

  • アゴン(試合、競技)
  • アレア(サイコロ、賭け)
  • ミミクリ(マネ、模倣、擬態)
  • イリンクス(渦巻)

点数で競い合うスコアシステムがあいまいなものになって崩壊していった。「ストリートファイターII」はスコアよりも競走結果が重要なもの。

ゲームでのハンディキャップは、黒子であった方がいい。平等に見せて、実は後ろからそっと押してあげるようなものがいい。

ゲーム・ハイは、特定のゲームがプレイヤーに与える影響ではなく、人対メディアの関係で生じてくる。

ジャンルの定義を考える(あるようでないようなルールの発見と発明)

そのゲームにアクション性があるかないかが、そのゲームの購買の選択に関わることもある。アクションゲームへのコンプレックスを感じている人もいる。

グラフィックの特異性(点描であり砂絵であり、TVモニターである)

ゲームのグラフィック流派には、マンガのようにデフォルメされた抽象的表現と、映画のような写実主義、その中間の間接写実もある。ハードのグラフィック能力が上がると、写実主義が増える。

ゲーム音楽の役割とは(いつまでも繰り返し鳴り続けていく音楽)

同じ旋律がリフレインになっているゲーム音楽に浸る。ドラゴンクエストシリーズでは、レベルアップする時にジングルが流れる。これによって文字を読まなくてもレベルが上ったことがわかる。

ゲームボーイウォーズでは、自分のターンと敵のターンとで音楽の雰囲気が違っている。

ディグダグでは、主人公が穴を掘るのを止めると、音楽もシンクロして止まる。

プレイヤーは、展開や状況にあわせて音楽やエフェクトがこまめに鳴るゲーム音楽らしさを求めている。

TVゲーム制作の現場

実践の個人的な背景(ゲームフリークからゲームデザイナーへの日々)

ポケットモンスターは完成までに6年かかった。その間、マリオとワリオ、ノンタンのくるくるぱずる、パルスマン、ジェリーボーイ、ジェリーボーイ2、スーパーヨッシーのたまごの6作品を手がけている。

クインティ(ナムコ黄金期へのオマージュ)

1つの面をクリアすると、また似たような画面がでてきて、ミスするまで繰り返していく。80年代のゲームはこうした繰り返しで遊ぶものが多かった。

ゲームとは刺激。何らかの変化を感じさせる力であり、同じ刺激を断続的に受けると、人は徐々に刺激を感じなくなる。ゲームの面白さを刺激量で考えると、それが低い場合はそのゲームが詰まらないか飽きているということになる。

クインティには、すべての敵キャラクターに思考ルーチンがあり、敵の動きに運まかせな要素はない。常に敵の思考によってプレーヤーに近づいてくる。

ゼビウスでは、自分の戦闘機ソルバルウが画面に対して左右どちらにいるかによって、敵の出現位置が変わる。

ヨッシーのたまご、ノンタンのくるくるぱずる(麻雀の持つゲーム性から学んだものとは何か)

麻雀のように、テクニックを意識しなくても勝てることもあり、いくら手を巡らせても勝てない時があり、でもテクニックを磨かないと勝てるようにはならない。偶然性と戦略性とのせめぎあいを、ゲームに持ってこれないかと考えていた。

ジェリーボーイ(アクションゲームへのコンプレックスを考える)

アクションゲームでは、穴の存在がゲームを難しくしているとよく言われる。そこで、壁や天井にもぺたぺたくっついて、上下の感覚も薄いようなキャラクターとしてスライムを提案した。

マリオとワリオ(ルールとルールの組み合わせが生み出すもの)

主観的な視点と客観的な視点を、ゲームシステムサイドが意識的に操作している。妖精ワンダを操作してマリオの動きを操る。ワンダとマリオにそれぞれ感情移入してプレイしていく。

パルスマン(TVゲームを遊ぶ環境を想定する)

クラブにゲームを置くイベント「TGNG」をみて、深夜の遊びの空間に似つかわしいゲームがほしいと考えていた。そこにはツインビーやボンバーマンが置いてあった。

ポケットモンスター(ゲームボーイの通信コミュニケーション)

有効な通信を促すために考えられたのが、強力なゲームシステムであるギャザリング。

ウルトラ怪獣手帳の付録に、怪獣の鳴き声ソノシートがついていた。そこからアイデアを得て、1000体以上のポケモンそれぞれに付いている鳴き声が生まれた。

ドラゴンクエストIIには不思議な帽子というアイテムがあるが、手に入れられる確率は低い。自分は1つも持っていなくても、友達は2つも持っている。1つ分けて欲しいという欲求を、ポケットモンスターは満たしてくれる。

コラム

ゼビウス(プレイするほど謎が深まる)

ゲームの中に身を委ねていると、何か強力なメッセージに触れているような感覚になる。ソルやスペシャルフラッグを中心に、隠れキャラのブームを作った。

スーパーマリオブラザーズ(家庭用ゲームをデザインする)

初めてプレイする人でも、どれが良くてどれが脅威なのかが分かる仕組みが作られている。

スペースインベーダー(緩急効果がもたらすもの)

ゲームデザインにおいて、スピードを調整する手法は、面白さを底上げする目的がある。ある一定のレベルまでスピードが早くなったら、一時的に元のスピードまで落とす。この緩急効果によって常に難易度を再調整して、プレイヤーに対して緊張と緩和を繰り返し与えることでテンションを高める。

テトリス(スキルアップのプロセス)

ブロックの各バリエーションに対して、もっとも確率が均等に分かれているのが4連結ブロック。

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