Philosophy

――目の前の人を進化させるモノリスを作りたい。既存の価値観を超えて、未来のワークスペースのモデルになる場所を作りたい。

生物は、一定の法則に従った幾何学的なデザインがされている。もしそこに想定外のデザインが生まれた時は、何か第3者の力が加わったということだ。

Real WorkSpace と xR WorkSpace|リアルの拡張

RealでWorkするための物理的な「Real WorkSpace」と、xR(VR/AR/MR)でWorkするために拡張された「xR WorkSpace」。お互いの境界が溶けていくことにより、多角的な視点で作られた集合知としてのWorkSpaceであること。

複数ではなく個人、いつでもではなくいま、どこでもではなくここ。個がリアルを拡張することによって、個人同士がいまここでつながった先にある「全体の総和」としてのWorkSpace。

従来のCo-Working Spaceのコミュニティの外郭から、「Real WorkSpace」と「xR WorkSpace」の2つのWorkSpaceへと外郭を再定義する。リアルとデジタルは相反することなく結びついて、リアルをよりリアルな体験へと次元上昇させる。デジタルを経た先にある、リアルへの帰還。

Real WorkSpace|ひとりになるために必要なリアル空間

ひとりになって集中するために必要なReal WorkSpace。

Workする時は決して壁に向かわず、目の前は開けた空間であること。空間のデザイン、空気循環、時間によって明るさや気温が変化するなど、一定に保たれることなく変化し続ける空間づくり。

従来のコワーキングスペースは、使い方を間違うと集中できない空間になってしまう。集中している時に話しかけられない環境である必要があるので、いつもWorkSpaceに同じチームのメンバーがいてはいけないし、Work中に直電がかかってくるようなワーフクローであってはいけない。Workするグループ/チーム/コミュニティの作り方を間違うと、Workに相応しくない空間になり得る。

Workはデバイスに向かって実作業をすることばかりではない。ぼーっとしている状態、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)では、リラックスしつつも脳の広い領域が活性化している状態。ひらめきやすい状態にコントロールすることもWork。DMNでWorkするためには、ひとりになって集中するReal WorkSpaceが必要だ。

xR WorkSpace|繋がって増幅させるためのアバター空間

Real WorkSpaceがデジタルで拡張され、アバターが集まるxR (VR/AR/MR)空間のxR WorkSpace。

アバター同士の小さなスキル、もしくは多様なスキルが結びついて、お互いに作業を分担しながらWorkを進める。ひとりでWorkしながら、他のアバターのスキルに助けてもらうことができる。自分も他のアバターが求めるスキルに対応することができる。すべてのアバターは集合知の一部であり、個は全体の総和である。

アバター同士のコミュニティは「ほどほどの関係」。決して踏み込みすぎず、結束してひとつになろうとしない。

Real WorkSpace と xR WorkSpace|リアルとアバターをつなぐ、拡張されたWorkSpace

より自分の内側に入っていく時間が必要。人に勝とうとすると一生負け続けるので、自分の中に戦う相手を見つけること。自分が何者であるかを知り、本当につながりたいものは自分の中にある。

クリエイティブの成果物の価値だけではなく、その過程が価値を持っていく。誰かのWorkの過程に対して自分のスキルを持って参加することで、自分自身の経験となり新たなスキルとして蓄積される。その経験ひとつひとつがモデルとなり、次につながる知見となる。

AIが効果測定をして予測ができて、クリエイティブの結果で差が生まれなくなってくる時代で、人が行うWorkの過程にこそ価値がある。自分以上のスキルを持つ人とWorkすることで自分を高めること。人は自分の経験からしか学べないが、Real WorkSpaceとxR WorkSpaceがつながった空間での体験は、バーチャル体験ではなくリアル体験となり得る。

たとえば自分がまだやったことのないクリエイティブのワークフローを見ることができて、複数の人が関わるWorkにリアルタイムで参加する。プロフェッショナルがプロフェッショナルだけの世界に住み続けないように。アマチュアがプロフェッショナルのWorkからスキルを得られるように。

職業や年齢などの属性による制限はないので、10代のスキルが大きなプロジェクトを動かすこともある。様々なスキルを持つ各業界のプロから、子供たちがワークショップなどを通して学べる場でもある。ひとりひとつの職業ではないマルチスキルへの導き。大きなストリームの中で、自分で発見して好きになっていく。

FeedBack|フィードバックしまくる/受けまくる

短期間で伸びる人と伸びない人との圧倒的な違いは、最初の判断にある。伸びない人は師を間違う。師や情報を間違うことは多くの時間を無駄にし、到達すべき場所からは遠のいてしまう。

同じく、どの(誰の)フィードバックを吸い上げるかの視点は大切で、その分野のセンスを持たない人から意見を聞いていてもサービスはよくならない。目的(マイルストーン)に対して、そこにある問題を認知できる人/できない人がいる。そして、その問題を解決するための手段を持っている人/持っていない人がいる。前者の問題の認知については洞察力であり、後者の手段はセンスと視野が大きく関わる。

一方で、人は自分のことはあまり見えず、他人の改善点がよく見える。自分自身で高めていける人もいれば、人へのフィードバックを適切に行えるスキルを持つ人もいる。革新的な大きな変化は自分自身で行う必要があるが、日々の改良は人に助けてもらうと効率的だ。

「伝える」と「伝わる」は違うので、同じ言葉でも伝わり方が異なる。小さなコミュニケーションエラーは日々起きている。テキストコミュニケーションが苦手な人は、その伝え方で損をする。適切なフィードバックがあれば一歩前に進めることができる。

たとえばNetflixはフィードバックのカルチャーを模索してきた。たった1ページからも学べることは大きい。

Netflixでは、プロフェッショナルとしての建設的なフィードバックを、上下関係を問わずに社内全体で常に交換できるような環境作りを目指しています。誰でも間違いは犯すものだということを社内のリーダーたちが率先して認め、積極的にフィードバックに耳を傾けています。社員はいつも「どうすればもっとうまくやれるだろうか?」と周りに尋ね、「まだ仲間へ共有していないフィードバックはあるだろうか?」と自身にも問いかけます。

日ごろの仕事の一部としてストレスなく当たり前にフィードバックを交換できるようになれば、物事をより早く学び、社員同士が成長できます。Netflixでは、フィードバックを形式的に一定の頻度で与えるようなものとせず、常にお互いにコミュニケーションを取りながら交わすべきものとしています。たとえ実際に口にするのは気が引けるとしても、無私の心で仲間にフィードバックすることで信頼関係を築けます。フィードバックのやりとりがあれば、誤解を引きずることもなければ、ルールを設ける必要もなくなります。人と人の間にしっかりとした信頼関係があれば、フィードバックを交わすことはそう難しくありません。私たちが時間を費やしてでも社員間で信頼関係を築くことを重視しているのは、そのためです。Netflixでは、立場が上の人に対してでも率直にものを言う人が評価されます。
Netflixのカルチャー

より大きなWorkSpaceの外郭

世界の中心は日本ではないし、欧米文化が正義でもない。アメリカのCNN、イギリスのBBC、日本のNHKだけでは捉えられない世界がある。中国のCGTN、ロシアのRTが見ている世界とあまりにかけ離れているからだ。言語や文化は世界を隔てているが、ネットはつながっている。

言語自体に思考回路が付随しているので、Live翻訳ができる時代であっても、より表現力のある上級言語での思考、日本語圏から生まれるクリエイティブは価値を持つ。

サスティナブルでデジタルでグローバルなリカーリング。時代の共通キーワードを持つ中でも、まだまだ見えていないものがたくさんある。

Style(Music、Food、Apparel、Others)|Workに寄り添うカルチャー

どのような仕事をするか、どのように生きるかということは、どんな服を着るかということとも繋がっている。料理の感覚は料理でのみ培われるのではなく、あらゆるクリエイティブの中で形成される。すべての人がクリエイターであり、すべての価値観は平等にある。いまここに捨てていくべきものは捨てていき、新しい価値観でのカルチャーの創造が必要。

目的と手段

遠くまで放り投げたマイルストーン、これから手前にいくつか置いていきたい。不確かさを楽しみ、目的への手段を模索する世界でありたい。

これまでの記事の起承転結の「結び」とさせていただきたい。

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