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会計と非会計の視点|数字・計画・効率化を問い直す

「「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い 禁じられた数字〈下〉」を元に、要約メモしておきたいと思います。

判断を惑わす「禁じられた数字」

「禁じられた数字」とは?

  • 禁じられた数字=数字の世界の禁じ手、事実だけれど正しくない数字
    →誰でも使おうと思えば使えるが、人の判断を惑わし、人を騙す武器にもなる

「禁じられた数字」には4つのパターン

    1. 作られた数字
    2. 関係のない数字
    3. 根拠のない数字
    4. 卓上の数字

【禁じられた数字1】作られた数字

  • はじめから「こういう結果がほしい」という結論ありきで生まれた数字
    代表例:誘導的なアンケート

【禁じられた数字2】関係のない数字

  • 本当は関係がないのに、さも関係がありそうに思わせる数字
    代表例:この売り場から1億円が12本でました

【禁じられた数字3】根拠のない数字

  • さしたる根拠がないのに、もっともらしく聞こえてしまう数字
    代表例:経済効果の数字

【禁じられた数字4】卓上の数字

  • 計算上はうまくいくけれども、実際にはうまくいかない数字
    代表例:時給1000円で月30万円可

数字のウソから数字を学べ

  • 数字の裏側を読むことを習慣化する
    1. 数字をみたら疑ってかかる
    2. 数字をそれほど信頼しない
    3. 数字だからといって特別視しない(他の文字と同等に扱う)

計画信仰と変化への対応

ビジネスから自由を奪う「計画信仰」と「成長への圧力」

  • 計画信仰=計画どおりにビジネスを進める重要性が増している
    →計画に合わせて利益などを抑制(または水増し)
  • 成長への圧力=企業は毎年成長することが期待される
    →成長性を演出するために、利益目標などを低めに設定
    →「禁じられた数字」「根拠のない数字」、つまり「禁じられた数字」が発生

予想はウソよ

  • 事業計画をもとに発表される業績予想=「作られた数字」である可能性
  • 計画の縛り→力が強いのは、そこに会計が使われているから

計画への不満

  • ビジネスでも個人でも、計画の弊害が大きい
    • 計画の前提である市場予想が2ヶ月ではずれた
    • 来年の予算を確保するために、予算を使い切る
    • 結果(数字)に結びつく短期的で簡単な仕事しかない
      →計画は環境の変化に対応できない

「カード(切り札)を何枚、持っているか

  • いまは環境の変化が激しい時代
    →計画は立てない
    →変化に対応ができない「計画」から、変化に応じて選択肢の中から選ぶ「カード」の時代へ

変化が欲しい時代にあるべき計画(予算)の姿

  • 3ヶ月に1回、予算を見直す「ローリング予算」
  • 前年の予算に引きずられない「ゼロベース予算」
  • 思い切って予算計画を廃止した「脱予算経営」

計画信仰は「計画幻想」

  • ムリ・ムラ・ムダを排除するための「計画」が、逆にそれらを生み出している
    →時代は必ず変化するので、計画を立てないのもひとつの手

費用対効果と効率化の限界

「費用対効果」をよく使う人にご用心

  • 費用対効果が便利な理由
    1. どんな場面でも、だいたいお金が関わる
    2. 費用対効果の「効果」はオールマイティ
  • 費用対効果=前提がおかしいもの、効果の対象があいまいなものも
    →使っている人の頭の中でしか成立しない「関係のない数字」「卓上の数字」、つまり「禁じられた数字」が発生
  • 会計人の思考=いかに少ないお金で最大の効果をあげられるか
    →効率化

「効率化」は成功への最短距離か?

  • 効率化の前提
    1. 改善すべきムラ・ムダを把握
    2. 状況を一変させるアイデアが存在
  • 準備なき効率化は人や会社を疲弊させる
    →卓上の数字だけで計算した効率化は、ムラ・ムダならぬムリを生む

「目先の利益」と「長期的な利益」

  • 効率化=目先の利益を優先させる考え方
    →長期的に見れば、利益を失うことになりかねない
  • 現状の会計制度・成果主義
    →会計的な考え方をする人(会計人)ほど、目先の利益を追いがち
    →あとになって自分の行動を縛る

デキる人は「二分法」で話す

  • 二分法の利点
    1. 論理的に見せる
    2. 複雑なものをシンプルに

ビジネスは「会計的な行動」と「非会計的な行動」から成り立つ

  • 会計的な行動=「低コストでいかに効率的に稼ぐか」という行動
    →経営が不安定になるという弊害が発生
  • 非会計的な行動=経営を安定化させるために行われる、リスクを低下させる、非効率な(コストがかかる)行動
  • 「食い逃げされてもバイトは雇うな」
    →会計の視点からしか見ていない短期的な考え

二者択一を超える「妙手」

ビジネスは二者択一ではない

  • 会計的に正しい判断→ビジネス的に正しいとはかぎらない
  • 二分法=「単純な結論」「平凡な発想」を生む土壌
    →「会計」と「非会計」という、相反する両者を一気に解決する方法(=妙手)を考えることこそ経営者の仕事
    →優秀な経営者は、即断で「食い逃げされてもバイトは雇うな」とは言わない
    →その発言自体、会計・数字にとらわれている証拠

「妙手」を打て

  • うまくいっている経営の裏には、妙手が存在
    • 自店で挟み込んで、ライバル店を撃退
    • 3倍の人件費をかけた「三位一体営業」
    • 限定販売
    • 座り読み大歓迎の本屋さん
    • ドミナント戦略
    • 現場への権限委譲
    • 均一価格販売
    • プレゼントキャンペーン
      →会計と非会計の両方の要素をあわせ持つ
  • 利害が対立したときにこそ、妙手は役立つ
    代表例:フォードの「日当5ドル」
  • 妙手を考えるためには?
    1. 二分法を捨てる
    2. 視点を大きく変えてみる
    3. ギリギリまで考える

会計と非会計の視点を持つ

ビジネスと会計では世界が180度違う

  • 会計は科学=どんな環境でも同じ結果
  • ビジネスは非科学=環境が異なれば、結果も異なる
    →「会計がわかればビジネスもわかる」は根本的に間違い

会計的な視点が必要な理由

  • 会計的な視点(金額重視主義)
    →ふだんの生活では身につかない考え方
    →新たな視点、先入観や常識を一度壊してくれる
    →感情に流されない合理的判断
  • 人は金額とは異なる基準をもとに幸・不幸を感じる
    →自分の感覚的な基準で判断
    代表例:前年との比較、お得感
    →勘定を優先することと、幸せかどうかは別問題
    →会計的な視点を一度取り入れたのち、「感情」か「勘定」かを選べばいい

会計は世界の1/2しか語れない

  • あらゆる経済活動は、会計と非会計のバランスをとりながら動いている
  • 会計の発想から生まれるもの
    →どんなに優れていても、「会計側の世界」しか語れない

上下巻のタイトルの意味

  • ビジネスでも生活でも、大事なのは複数の視点を常に持つこと
  • 「食い逃げされてもバイトは雇うな」→単一の視点こそ大間違い