以前、CDラジカセで再生した音に合わせてムービーを撮りました。後日、その音に少し手を加えたものを載せ替えました。テンポは同じなのでピッタリ合うはずなのですが、微妙に合いません。全体的に遅い早いではなくて、元の BPM は 120 なのですが、119〜121あたりをさまよっています。
色々と調べて悩みましたが、ラジカセがヘタっていたことが原因かと思われます。電源が安定していない、CDの読み取り〜再生までの回路が安定していないなど、そういったことが原因ではないかと思います。CDはデジタルなのに、こんなカセットテープやレコードみたいなことが起こるのかと思われるかも知れませんが、意外とアナログなものですよね。
現場レベルでしか学べないことがあります。例えば自動車学校ではパッシングやハザードランプを挨拶代わりに使うなんてことは教えてくれませんしね。
この本には、現場レベルでの TIPS が多く書かれています。
「新・プロの音プロの技」を元に、要約メモしておきたいと思います。
セットアップ|電源・接続・モニタリング
システムはこう作る
真夜中の録音は音がいい
シンセサイザーなどの電気機器の性能を引き出すためには、安定した電源が必要。昼間よりも夜中のほうが電源は安定しているので、レコーディングは夜中のほうがいい。
電気をきれいに
サイン・レギュレーター(電源安定化装置)やパワー・ディストリビューターで、歪んだ電気をきれいな形にする。すべての機器のクオリティがアップする。
電源プラグを差し替えよう
ACコンセントにも「ホット」と「アース」という極性があって、ノイズや音質に影響がでる。基本的にはコンセントの溝の長さが長いほうが「アース」、短い方が「ホット」。電源プラグの片方の端子に刻印があるほうが「アース」。しかし、壁のコンセントそのものが逆に配線されている場合もあるし、電源プラグの刻印も意味が逆の場合もあるので、アテにならない。テスターを使ってテストするのが最も信頼性が高い。
接点の数を減らせ
変換プラグや延長コードなど、接点数が増えればその分、音質劣化につながる。
コードは短く
長いとそれだけ周囲のノイズを拾いやすい。
コードにも向きがある
コードに印字された文字を読めるようにして持って、左から右に向かって信号が流れるように作られている。左がアウト端子、右がイン端子。
音源とミキサーのレベルマッチング
フェーダーは音を絞るためもので、音を大きくするためのものではない。
「大きな音を下げる」が基本
最終的にアンプでボリュームを上げるのではなく、MIDI のボリュームやエクスプレッションをなるべく大きくすることで、ノイズを防げる。
オートフェーダーを活用しよう
曲の出だしやピアノソロなど、必要のないチャンネルのフェーダーを自動的に無音にする。
納得のミキシングは、正しいモニタリングから
高音から低音まで均整のとれたスピーカーがいい。ヘッドフォンの場合は SONY MDR-CD900ST など。
シーケンサー|演奏表現と楽器別の入力
ベロシティ
ベロシティ値と拍との関係
「大-小-中-小」を基本に EDIT すると、曲が前に進む感じになる。1小節内で「大-小-中-小」を行うのと、4小節内で「大-小-中-小」を行うのを組み合わせて、「70-50-60-50|64-44-54-44|67-47-57-47|64-44-54-44」のようになる。
メロディ入力のテクニック
一般的には、上へ向かったフレーズはベロシティも右上がりに、下へ向かったフレーズなら右下がりとなる。これに、「大-小-中-小」を組み合わせる。
和音入力のテクニック
外音(和音の一番低い音と一番高い音)に比べ、内音(外音に挟まれた音)のベロシティを下げる。また、和音の中に隣り合わせになっている(ぶつかっている)音があったら、そのどちらかのベロシティを大きめにして、もう片方を小さめにすると、和音がきれいに響くようになる。
同じ型は使わない
コピー&ペーストで繰り返すだけではなく、ランダム機能などを使ってベロシティに変化を付ける。
デュレーション
鳴り終わりの微妙なタイミングが「ノリ」を出す
休符の最初に少しだけ音が残っているのが自然。デュレーションは105%などの値にする。
モジュレーション
モジュレーション・ホイールを使おう
立体感のある演奏になるだけでなく、リバーブやディレイといった空間系エフェクト音のノリがよくなる。
コピー&ペーストは、悪魔の誘惑
モジュレーションデータまでもコピペしてしまってはダメ。
ボリューム&エクスプレッション
フレームのはじめと終わりは特にきめ細かく
「嵐のように」「さざ波のように」というのは、フレーズのはじめのボリューム情報をきめ細かく設定することで表現できる。「空へ飛んでいくように」「消え入るように」というのは、終わりのボリューム情報が異なる。
最高値を「127」に近づける
ボリューム値を高く維持しながらデータを制作する。
ギターの入力
簡単ヴォイシング
ギターの弦は6本なので、5,6音でヴォイシングする。低い方から2番目の音を飛ばしてヴォイシングする。
ギター・ベロシティ
高音へ向かってベロシティ値を大きくすると、軽い感じになる。
音をずらす
ギターを上から下に弾くか、下から上に弾くかによって、音が出る順番が異なる。
カッティング
音数は3音を中心としながら、2音や4音を少し混ぜる。
ベースの入力
ベロシティ&デュレーション
曲を下から支えるという意味では、ベースのベロシティはほぼ均一にしたほうがいい。ベロシティとデュレーションで音の切れ具合を決めていく。
ストリングスの入力
ヴォイシング
スローズのヴォイシングは凝縮された響きを持っていて、アンサンブルのバックにしっとりと流すような場合につかう。オープンのヴォイシングは、文字通りオープンな感じで、ドラマティックな感じを出したいときに使う。
クローズ・ヴォイシングの方法
コードの構成音を楽譜上に可能な限り書き込んで、隣り合った3つの音を選ぶ。低い音域では音が濁りやすいのであまり使わないほうがいい。
オープン・ヴォイシングの方法
コードの構成音を楽譜上に可能な限り書き込んで、1つおきに3つの音を選ぶ。
ストリングスのヴォイシング
オーケストラのストリングスは、Violin1、Violin2、Viola、Cello、Contrabass の5セクションがあるから、ヴォイシングも5つの音を使うとよい。
ボリューム・チェンジを駆使せよ
弾いたら出た音量ではなく、イメージにあった音量でシーケンスする。
簡易和声学
非和声音の扱い方
非和声音が鳴っているときは、同じパートはもちろん他のパートでも、その弛緩の音を鳴らさない。
白玉音符(パッド)のつなぎ方
- コードチェンジ時、同じ音(共通音)があったら、それをつなげる。同じ音がなかったら、ベースの動きとは反対の方向へ移動する。
- コードチェンジのとき、同じ音同士をタイでつなげる。
- ベース音以外の音を、上下に移動する。どの音を動かすか、あるいは、移動した音を元に戻すのか戻さないのかなどの決まりは特にない。自分のイメージにあった音を探す。
メイクアップ|音の配置とバランス
仕上げのポイント
塩コショウをかける
生っぽさをだすために、タイミングとベロシティに手を加える。シーケンサーに Humanize コマンドがあればそれを使う。
Pan の設定
ハーモニカとギターの2パートの場合、両方ともセンターにするとハーモニーは濁ってパートの分離も悪くなる。比較的高音の楽器は左へ、比較的低音の楽器は右に Pan を振ると安定した Pan が得られる。その根拠はオーケストラの配置にある。
実際の Pan の振り方
ホルン用のトラックを2つ用意し、別々の MIDI チャンネルを設定する。用意した片方のトラックをホルン1,2用として左へ Pan。もう片方のトラックをホルン3,4用として右へ Pan を振る。広がり感を出すために目一杯振ってもよい。さらにリバーブを深めにかけて完成。
なくてもいい音がある
全体のサウンドにあまり影響していないようなパートが見つかる。そういう音色はサウンド的に不透明さの元となっていることが多い。思い切ってカットしてしまった方が、曲全体を霧が晴れたようなスッキリしたサウンドにすることができる。
中音域に集まりやすい
ベロシティをエディットするか、EQ を使って中音域を少し薄くする。
バランスの取り方
一度全部のフェーダーを下げ、必要なパートの必要な部分だけを使うというやり方が一番バランスを取りやすい。
フェードアウトの仕方
中くらいの所まで下げたら、あとはあっけないほどサッと絞ってしまう。
ラストアドバイス|録音前の準備
いい音で録音するために
録音機材は暖めてから
少なくとも30分前にはパワーオンしておく。
メディアを部屋に馴染ませろ
メディアの記録面に結露が生じないように、十分安定してから使う。
マージンはマイナス 2.0〜0.0dB の範囲に
マージンが最高でもマイナス6もあるというような場合には、ノイズまで一緒に持ち上げてしまうことになる。
CD-R について
比較的安定して使えるのは、That's の CD-R。