もくじ

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針」をもとに要約メモです。

人がどう見るのか

01_目が受け取る情報と脳が私たちに伝える情報は微妙に違う

外界を素早く知覚するために、脳は近道をつくりだす。感覚的な情報を大量に受け取り、受け取ったすべての情報から辻褄があう世界を構築しようとする。

02_対象の「あらまし」をつかむのは、中心視野より周辺視野の役目

対象物の詳細な認識では中心視野を使うが、場面全体のあらましをつかむには周辺視野を使う。

03_人はパターンで認識できる物を識別する

刻々と入ってくる感覚入力を素早く理解できるのは、パターンをうまく利用しているから。たとえパターンと呼べるようなものがない場合でも、目と脳はパターンを見つけたがる。

04_顔認識専門の脳領域がある

まず注目し認識するのは人の顔。感情で訴えかける力がもっとも強いのは「こちらをまっすぐ見つめている顔」。顔が何かを見ている場合、その視線をたどって、その先にあるものを見る傾向がある。

05_物はやや上から斜めに見た形で思い浮かべる。

「コーヒーカップの絵を書いてください」と頼むと、ほとんどの人が斜め上から見た絵を描く。標準的な支店から見て書かれた絵は素早く認識でき、記憶もされやすい。

06_人は過去の経験と予想に基いて画面を見る

いちばん重要な情報は画面の上から1/3までの場所か、画面中央に置く。人は端を見ない。画面やページは普段読むときのパターンで移動できるようにデザインする。

07_人は手がかりを探す

デザインするときはアフォーダンスに配慮する。

08_人は視野の中の変化を見逃すことがある

あるものが画面上にあるからといって、それを必ずしも見てもらえるとは限らない。これが当てはまるのは、画面を更新して、一部を変更したとき。確実に変更箇所に気づいてもらうには、視覚や聴覚に訴える合図を追加する。

09_人は近くにあるものを同じグループだと思う

ひとつのグループとして見てもらいたい要素はまとめて配置する。関連のない要素は間隔を大きくとり、関連のある要素は詰める。

10_赤と青を一緒に使うと目への刺激が強すぎる

赤背景に青や緑のテキストを入れるのは避ける。

11_男性の9%、女性の0.5%が色覚異常

色に特定の意味を持たせる場合、複数の体系を利用する(直ちに注目してもらわなければならない項目を緑色にすると同時に四角で囲むなど)。

12_文化によって色の意味が変わる

「赤は赤字、止まれ」「緑は金、進め」など文化によって違う。

人はどう読むのか

13_大文字がもともと読みにくいものであるという説は誤りである

大文字と小文字が混在している場合は独特の輪郭を持つ。これに対して大文字だけで書かれたものはどれも同じ輪郭(長方形)となる。

14_読むことと理解することは同じではない

読んだものについて理解する内容は、その人の過去の経験や読んでいるときの観点、事前に与えられた指示に影響される。

15_パターン認識のおかげでフォントが異なっても同じ文字だと認識できる

セリフとサンセリフは、読みやすさの点では変わらない。過度に装飾的なフォントはパターン認識を下げるため、読む速度が落ちる。フォントが読みにくいと、その感覚を文章の意味の方にうつし、文章の内容自体が理解しにくいと判断する。

16_文字の大きさは理解度を左右する

幅広い年齢層が楽に読めるように十分な大きさの文字を選択する。

17_コンピュータの画面上のものは、紙に書かれたものより読みにくい

画面上で読まれる文章には大きな文字を使う。文を短く切って段落も短くする。箇条書きや写真を活用する。読む価値のある内容にする。

18_長い行のほうが早く読めるが、一般的には短い行の方が好まれる

一般に好まれるのは短い行からなるマルチカラムのページ。読まれる速度を早くするには行を長くする。

人はどう記憶するのか

19_ワーキングメモリの限界

画面が変わってもユーザーが情報を覚えていると期待してはいけない。あるページで読んだ文字や数字を別のページで入力させるようなことをしてはいけない。

20_一度に覚えられるのは4つだけ

ひとつのチャンクに入れる項目は4つまでにする。人は記憶に頼らなくても済むように、メモ、リスト、カレンダー、手帳など、脳以外の外付けの手段に頼ることが多い。

21_情報を覚えておくには、使うことが必要

ユーザーに何かを覚えて欲しければ、何度も繰り返す。習うより慣れろ。

22_情報は思い出すより認識する方が簡単

記憶への負担は可能な限り減らす。人が何かを想起しなければいけないようなインターフェースはできるだけ避ける。想起よりも認識のほうがはるかに簡単。

23_記憶は知的資源を大量に消費する

具体的なテキストやアイコンを使う。人が情報を覚えようとしていたり符号カしようとしていたら、邪魔しないようにする。

24_記憶は思い出すたびに再構築される

過去の行動についての自己申告を信用してはいけない。

25_忘れるのはいいこと

何を忘れるかは無意識に決定される。ユーザーが忘れることを前提にデザインする。

26_鮮明な記憶でも間違っていることがある

フラッシュバルブ(閃光)記憶は鮮明だが、間違っている場合もある。

人はどう考えるのか

27_情報は少ないほどきちんと処理される

段階的開示を行う。ユーザーが必要としているときに必要な情報を示す。

28_心的な処理には難しいものと優しいものがある

心的資源の消耗が多い順「認知 > 視覚 > 運動」。

29_人は30%の時間をぼんやりしている

ユーザーが注意散漫になったときでも現在位置がすぐにわかる仕組みを用意する。そうすれば元の場所に戻ることも進むこともできる。

30_自信がない人ほど自分の考えを主張する

人の信念を変えさせる一番効果的な方法は、ちょっとしたことをやってもらうこと。

31_人はシステムを使うとき、メンタルモデルを作る

メンタルモデル=ある物事が機能している仕組みをその人がどう理解しているかを表現したもの。

32_人は概念モデルとやり取りをする

まったく新しいシステムで、どの概念モデルもシステムの概念モデルと一致しない場合は、新しいメンタルモデルの構築に役立つトレーニングを用意する必要がある。

33_人は物語を使って情報をうまく処理する

物語は人が情報を処理するのに適した自然な形式です。

34_人は例を使ってうまく学ぶ

実例はわかりやすい。

35_人は分類せずにはいられない

7歳を過ぎた子どもは自然に分類に興味を持つようになる。

36_時間は相対的である

進行状況を示すインジケーターを常に表示して、ユーザーが作業にかかる時間を把握できるようにする。

37_クリエイティブになるための4つの方法

  • 熟考的で認知的な創造性
  • 熟考的で感情的な創造性
  • 自然発生的で認知的な創造性
  • 自然発生的で感情的な創造性

38_人は「フロー状態」に入る

難しい作業は何段階かにわける。現在の目標が「困難だが達成可能」と感じられる。

39_文化は考え方に影響する

東洋人は西洋人より、背景や状況に注目する。

人はどう注目するのか

40_注意力は選択的に働く

特定のことだけに注目し、他は一切無視するようにすると、誰でもそれほど時間をかけずにできる。

41_情報は取捨選択される

情報を提供すれば必ず注目してもらえると期待してはいけない。

42_熟練の技は無意識に駆使できる

単純な操作の繰り返しが多すぎると誤りにつながる。

43_ある事態に対する注意力は、頻発が予想されるか否かで決まる

まれにしか起こらない重大事の発生には警告をだす(ノートパソコンのバッテリー)。

44_注意力の持続時間は10分が限度である

人の注意力は長くても7〜10分しか持続しない。

45_人は「顕著な手がかり」にしか注目しない

よく目にしているものでも記憶はあいまいなもの。

46_マルチタスクは事実上不可能

例外として、人は「歩く」という動作を習得しているのでマルチタスクが可能。

47_危険、食べ物、セックス、働き、人の顔、物語は注意を引きやすい

人の注意を引きやすいもの

  • 動くもの
  • 人の顔(特にこちらを見ている顔)の写真
  • 食べ物やセックスの写真、危険にまつわる写真
  • 物語
  • 大きな音

48_大きな音には驚いて注目する

霧笛、クラクション、警笛、サイレン、ベル、ブザー、チャイムやゴング

49_何かに注意を向けるには、まずそれを知覚する必要がある

  • 視覚:真っ暗闇で高いところに立っている場合、50km先のロウソクの炎が見える。
  • 聴覚:ごく静かな部屋にいる場合、6m離れた場所にある時計が時を刻む音が聞こえる。
  • 嗅覚:8m四方の空間なら香水を一滴落としても香りがわかる。
  • 触覚:皮膚の上に髪の毛を1本のせてもその感覚がわかる。
  • 味覚:8リットルの水に砂糖小さじ1杯を溶かしてもわかる。

人はどうすればヤル気になるのか

50_目標に近づくほどヤル気が出る

  • ポイントカードA:欄が10個あり、最初にカードをもらったときにスタンプが1個も押されていない。
  • ポイントカードB:欄が12個あり、最初にカードをもらったときにスタンプが2個押してある。

51_報酬に変化がある方が強力

  • 間隔による設定(一定の時間が経過すると餌が与えられる)
  • 回数による設定(棒を押した回数により餌を与える)
  • 固定間隔(時間間隔は常に一定)
  • 変動間隔(時間間隔は変動するが、間隔の平均値は固定の場合と同じ)
  • 固定比率(棒を押した回数を基準にあたえられ、何回に1回与えられるかの比率は常に一定)
  • 変動比率(棒を押した回数を基準にあたえられる。与える比率は変動するが、比率の平均値は固定の場合と同じ)

52_ドーパミンが情報探索中毒を招く

情報を見つけやすくすればするほど、ユーザーは情報探索にのめり込みやすくなる。
例)Facebook のタイムライン

53_人は予測ができないと探索を続ける

Facebook や Twitter など、いつどこから送られてくるか予測できない。これはドーパミンシステムを刺激する状況。

54_内的報酬のほうが、外的報酬よりもヤル気がでる

仕事に対して金銭的な外的報酬と、発見的な仕事で得られる内的報酬。

55_進歩や熟達によりヤル気が出る

人が本能的にやりたいと思うことをさせる仕組み、たとえば友だちとつながる、新しいことを習得するといったものを用意する。

56_欲しいものが我慢できるかどうかは幼少期に決まる

満足を遅延できる人とできない人がいる。

57_人は本来怠惰な生き物である

人はできるかぎり少ない作業量で仕事を片付けるものである。

58_近道は簡単に見つかるときにしかしない

覚えやすく、見つけやすく、使いやすいショートカットを設定する。

59_人の行動は性格だと判断されがちである

自分が先入観を抱いていないか別の視点から検証する。

60_習慣は長い時間をかけて徐々に形成される

複雑なものより、簡単にできる小さなノルマを課す。

61_競争意欲はライバルが少ないときに増す

ライバルが10人以上いることがわかると、競争意欲が低下する可能性がある。

62_人は自律性をモチベーションにして行動する

脳の無意識領域は、自分が物事をコントロールしている状態を好む。

人は社会的な動物である

63_強い絆を有する集団の規模の上限は150人

SNSを介して150人以上の人とつながっている場合、その関係はおそらく弱いつながり。

64_人には生来模倣と共感の能力が備わっている

人が何かをしているところを見るという行為には、思いがけない力が潜んでいる。ある人にある行動を促したければ、その人に、誰か他の人がその行動をしているところを見せる。

65_同じ釜の飯を食った仲間の絆は強い

他の人と一緒に同じ行動をとる「同期活動」。

66_オンラインでの交流においては、社会的なルールの遵守を期待する

人間同士の交流のルールに従い、ユーザーとのやり取りに配慮する。

67_嘘の度合いは、伝達手段によって変わる

人は嘘をつくことが一番多いのは電話、少ないのは手書きのとき。手書きよりメールの方が他者を否定的にみる傾向がある。もっとも正確な解答が得られるのは対面による聞き取り。

68_話し手の脳と聞き手の脳は同期する

人の話を聞いているときは、その話の理解を助けるような特有の脳の同期が起きる。

69_脳は親しい人には特別な反応を示す

近しい人との間をとりもつタイプのSNSの方が、未知の人との新たな関係を作り出すタイプのものよりも頻繁に、永く使う。

70_笑いは絆を生む

笑いは本能的な行動であり、社会的な絆を生み出す。

71_笑顔の真偽は動画の方が判別しやすい

笑顔が本物だと思えるときには、それをみる人の心をとらえ、信頼関係が生じる。

人はどう感じるのか

72_7つの基本的な行動は万国共通

喜び、悲しみ、軽蔑、恐れ、嫌悪、驚き、怒りの基本的な感情は万国共通。

73_感情と筋肉の動きは深く結びついている

小さな文字を目を潜めて読むと、うれしさや親しみやすさを実感できなくなる可能性がある。

74_データより物語のほうが説得力がある

感情的にうったえ、共感を呼び起こすメッセージを掲示する方法を探る。

75_匂いは感情や記憶を呼び起こす

「感情に影響を与える香りの設計」はユーザーエクスペリエンスデザインとしてあり得る。

76_人は思いがけないことを楽しむようプログラムされている

今までになかったもの、新しものは人の注意をひく。予想外のものを提供すれば楽しい気持ちを引き起こせる。

77_人は忙しいほうが満足を感じる

時間つぶしの作業だと見抜いたら何もしないでいる方を選ぶので、価値のある作業とみなされる必要がある。

78_牧歌的な風景をみると幸せな気分になる

スタニスラフ・ポビトフ作「湖畔の夕暮れ」など。

79_人はまず「見た目」と「感じ」で信用するか否かを決める

人は信用できないという判断を素早く下す。

80_大好きな音楽でドーパミンが放出

神経伝達物質のドーパミンが放出される。

81_達成が難しいことほど愛着を感じる

手のかかるものほど愛着を感じる。

82_将来の出来事に対する自分の反応を大げさに予測する傾向

顧客の反応は、本人が思っているほど強いものではない。

83_出来事の最中より、その前後の方が前向き

満足度をユーザーに評価してもらう場合、2,3日後の方が好意的な評価が得られる。

84_悲しみや不安を感じているときは、馴染みのものがありがたい

ブランドに関して過去にプラスの経験をしていると、ブランドは近道となる。

間違えない人はいない

85_人間にノーミスはあり得ないし、問題ゼロの製品も存在しない

エラーメッセージの書き方

  • ユーザーが何をしたのかを告げる
  • 発生した問題を説明する
  • 修正方法を指示する
  • 受動態ではなく能動態を使い、平易な言葉で書く
  • 例を示す

86_ストレスを感じているときには、間違いを犯しやすい

退屈な作業をしているときは、音や色、動きなどで覚醒レベルを上げる。

87_エラーはすべてが悪いとはかぎらない

プラスの結果が生じるエラーもある。

88_エラーのタイプは予測できる

  • パフォーマンスエラー:一定の手順で作業を進める際に犯すエラー。
  • やり損ないエラー:やらなくても良いことをやってしまうエラー。
  • 省略エラー:やらなくてはいけないことを省略してしまうエラー。
  • 誤作動エラー:作業の手順は正しくても。やることを間違うエラー。
  • モーターコントロール・エラー:iPad で指の動きを間違うようなエラー。

89_エラーの対処法はさまざま

  • 系統的探索:エラーを正すために手順を踏んでいく。
  • 試行錯誤的探索:やみくもにさまざまな方法を試す。
  • 固定的探索:うまくいかなくても同じ動作を延々と繰り返す。

人はどう決断するのか

90_無意識のレベルでの決断

たとえ真の動機である可能性が低くても、合理的、倫理的な理由を提示してあげることは必要。

91_まず無意識が気づく

人は危険の兆候を無意識に察知して反応する。

92_人は自分の処理能力を超えた数の選択肢や情報を欲しがる

選択肢が多いと思考が麻痺してしまう。

93_選択肢が多いほうが思い通りになっていると感じる

自分の行動には影響力があり、自分は決定権を握っているとい思いたがるもの。

94_「お金」より「時間」

親近感を持った時の方が購買意欲が高くなり、使う金額も多くなり、購入したものに対する満足度も高くなる。

95_意思決定には気分も影響

人の気分で操作できる場合、その気分にあった決断の仕方を提案すれば、製品やサービスを高く評価してもらえる。

96_グループによる意思決定は必ずしも的確ではない

他のメンバーの意見を知る前に、あらかじめすべての情報を与えてひとりで考える時間をとってもらう。

97_人は支配的な人物に影響される

最初に発言した人がリーダーとみなされて、それがグループの最終的な答えとなってしまう場合がある。

98_確信がないときは人任せにする

評価・レビュー、はユーザの行動に影響をあたえる。

99_他人は自分より影響を受けやすいと考える

人は無意識のレベルで影響されているため、影響を受けていることも自覚していない。

100_目の前にある品物の方が高値に

実店舗の品揃えがよければ、ネットショップに対して優位を保つことができる。ガラスケースなど障害物があると、顧客が進んで購入しようという意欲をうばってしまうこともある。

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