スティーブ・ジョブズの流儀

アップルのCEOことスティーブ・ジョブズです。

ジョブズ(というかアップル)には無数の噂や物語があります。Apple Store独特の接客態度は「綿密な戦略」 | WIRED VISIONのような、こういったものをひとつひとつ紹介したいくらいです。しかしそんな話を知るうちに、その核にあるものを見てみたくなりました。つまり、ジョブズの変態具合を知りたくなりました。経営者は変態が基本だと思ってます。変態だから起業するのだし、変態じゃないと経営なんて続けられない、と思います。

上の映像、このスピーチもとても素晴らしいものだと思いますが、恐らくこの本を読めばジョブズに対するイメージが大きく変わるのではないでしょうか。

スティーブ・ジョブズの流儀」は、ジョブズの周りの人物の言葉を元に、ジョブズの頭の中を探り出したものです。激やせによる健康状態が心配されるジョブズですが、 今日もジョブズの脳は元気いっぱいのようです。

以下、要約メモ。

成功したアーティストの多くがある時点で枯れてしまう。自分をそもそも成功に導いた仕事を続けるのだが、進歩はない。「失敗を覚悟で挑み続ける、それがアーティストだ。ディランやピカソはつねに失敗を恐れなかった」とジョブズは言う。

アップルは製造の大部分をアウトソースするが、製品デザインはアウトソースしない。まったくの逆である。

他者がやるように広告に機能や特徴を盛り込むのではなく、アップルはライフスタイルマーケティングを実践している。そこで描かれるのは、アップル製品のおかげで「人もうらやむライフスタイル」を送るトレンディな若者。

iPodシルエットのようなブランド構築力のある大胆な大型キャンペーンのあいだに、アップルはもっと伝統的な製品広告をはさむことがる。こうしたプロモーションは特定の製品に焦点をあて、なぜアップルのコンピュータを買うべきなのかを劇仕立てで表現する。「I’m a Mac./I’m a PC.」キャンペーンがその例である。

ストックオプションは技術業界によくある報酬形態である。現金外の報酬で発行にお金がかからないうえ、これによって多かれ少なかれ、社員は株価を上げようと馬車馬のごとく働くようになる。

スティーブはその「現実歪曲空間(リアリティ・ディストーション・フィールド)」で有名である。強いカリスマ性に影響され、だれもが現実を歪められてしまうという。

ビジネスの歴史を見ると、最も成功した企業は製品イノベーターではなく、革新的なビジネスモデルを生み出した企業である。ビジネスイノベーターは他社(他者)の画期的発明をもとに、それを製造、販売する新しい方法を考え出す。

「それはマーケティング担当者であったり、中南米かどこかに事業を拡大する人間であったりする。ライバルと呼べるのが自分の会社しかないときに、なんで製品のさらなる改善に終始しなくちゃいけないのかというわけだ」このような状況では、そもそも会社をつくった製品志向の人たちが販売重視の人間にとってかわられる傾向がる、とジョブズは言う。「最後に会社を仕切るのはだれか? 販売系の人間だ」

ブラウンはハイテクを芸術的なデザインと融合させた。技術的創造性と芸術的創造性は同じコインの両面だという話をジョブズは何度かしている。「ふたつが別のものだとは思わない。レオナルド・ダ・ヴィンチは偉大な科学者だった—-」

ほとんどの小売業者は顧客がいかに商品を発見、選択するかに神経をとがらせ、そのうえで彼らにできるだけたくさんお金を使わせようとする。だがジョブズとジョンソンは、自分たちの製品が顧客の生活背景、人生体験にいかにフィットするだろうかと自問した。「店内での顧客の体験については考えませんでした。『彼らの人生体験を中心にこの店をデザインしよう』と私たちは言いました」

アップルがサポートすべきハードウェアは範囲が狭く、結果が予測しやすい。そのうえ何か問題が起こっても電話する会社はひとつしかない。デルやコンパックの顧客は電話サポートを利用するのは苦痛である。ハードウェアメーカーはマイクロソフトを非難し、マイクロソフトはハードウェアメーカーを非難するからだ。

消費者市場では、デザイン、信頼性、シンプルさ、すぐれたマーケティング、エレガントなパッケージが何よりの財産である。時代は一巡しようとしている。それらすべてを手がける企業こそが競争の先頭にたつ可能性が高いのである。

フォーカス 「ノー」が救ったアップル

仕事はテキパキと

腕まくりをして、さっさと仕事にとりかかるべし。

困難な決断にも正面から立ち向かえ

厳しくつらい決断を迫られたときも、これにまっすぐ立ち向かうこと。

感情的になるな

会社がかかえる問題を冷静かつ明晰な頭脳で評価すること。

毅然として構えろ

簡単なことではなかったはずだが、アップルに復活したジョブズは毅然として公正にふるまい、抜本的な改革をスタートさせた。彼は何をなすべきか分かっていた。それを説明する時間をとり、スタッフに協力を求めた。

推測ではなく情報で判断せよ

会社を徹底的に分析し、山勘ではなくデータに基づいて判断する。これは難しいが公正なやりかたである。

助けを仰げ

ひとりで重荷を背負い込まないこと。ジョブズは会社に援助を求め、実際に援助を受ける。マネジャーはいかなる重荷でもこれに手を差し伸べる存在である。

フォーカスとは「ノー」と言うこと

ジョブズはアップルの限られた資源を、自分たちが得意とする少数のプロジェクトに集中させる。

常にフォーカス、「機能過多」は禁物

何事もシンプルを心がけること。これはあまりにも複雑な技術界にあってはひとつの美徳である。

得意分野に集中し、それ以外は人に任せろ

ジョブズはアニメ映画を監督することもなければ、アナリストを説得することもない。彼は自分が得意なことに集中する。

独裁 アップルのワンマン・フォーカスグループ

独裁者たれ

誰かが決断を下さなければならない。ジョブズはアップルのワンマン・フォーカスグループである。他者のやり方は違うが、これはこれでうまく行く。

多くの候補からベストを選べ

ジョブズは選択制にこだわる。

ピクセル単位までこだわれ

細部まで手を抜かない。ジョブズはどんな小さな点にも注目した。見習うべきである。

何事もシンプルに

つまりは余分なものを剥ぎ取ること。ジョブズのフォーカスを改めて確認しよう—-シンプルとは「ノー」と言うことである。

ゼロからのスタートを恐れるな

例え1,000人のプログラマーで3年かかったとしても、Mac OS X は最初からやり直すだけの価値があった。

オズボーン効果を回避せよ

新製品は発売準備が整うまで公表しないこと。顧客が現商品を買い控えてしまう。

アイデアは「なんでもあり」

ジョブズはデザインの急進派ではないが、新しいものを試すのはいとわない。

新しいアイデアの良いプレゼンテーション法を探せ

それが会議用の大テーブルに光沢紙を広げることであれば、大型プリンタを手に入れるべし。

顧客の声を聞くな

彼らは自分が何が欲しいのか知らない。

完全主義 プロダクトデザイン、卓越性の追求

妥協するな

ジョブズの卓越性へのこだわりは、真に優れた製品を大量に作り出す独自のプロセスを生んだ。

デザインとは形式ではない、機能である

ジョブズにとって、デザインとは製品がいかに機能するかである。

徹底的に吟味せよ

製品がいかに機能するかを、ジョブズはデザインの段階でとことん解明する。

全員を巻き込め

デザインはデザイナーだけのものではない。エンジニア、プログラマー、マーケターも製品の機能を明らかにするうえで貢献できる。

一方通行のプロセスを回避せよ

ジョブズは絶えずプロトタイプ製品を各チーム間に行き来させる。あるチームから次のチームへ順送りにすることはしない。

「生成検査」を実施せよ

試行錯誤を繰り返す。つまり創造しては修正すること。ひとつのソリューションにたどり着くためには、いやになるほど膨大なソリューションを生み出さなければならない。

強要するな

ジョブズは「親しみやすい」製品を意識的にデザインしようとする訳ではない。「親しみやすさ」はデザインプロセスから湧き出るものだ。

素材に敬意を払え

iMacはプラスチックだった。iPhoneはガラスである。それらの形状は使う素材に応じたものである。

エリート主義 Aプレーヤー以外の能なしは去れ

Aプレーヤーのみとパートナーを組み、能なしはクビにせよ

才能あるスタッフはライバルに先んじるための強みである。

最高のクオリティを追求せよ

人材、製品、広告の全てにおいて。

人材に投資せよ

アップル復帰後に製品の見直しをしたとき、ジョブズは数々のプロジェクトを「スティーブした」が、最高の人材は手元に残した。

仕事は少数精鋭で

ジョブズは100人以上のチームを好まない。まとまりに欠け、統制が効かなくなるからだ。

「イエスマン」に耳を傾けるな

議論や討論が創造的思考を促す。ジョブズは自分の考えに異を唱えるパートナーを必要とする。

知的な闘いをせよ

ジョブズはアイデアをぶつけ合うことで意志決定をくだす。それは過酷でハードだが、厳正で効果的だ。

パートナーに自由を与えよ

ジョブズはクリエイティブパートナーに思うままに創作させる。

情熱 宇宙をへこませる

情熱がある限りは、くそ野郎になるもよし

ジョブズはわめき叫ぶが、それは世界を変えたいという衝動からだ。

仕事に情熱を持て

ジョブズにはそれがある。そして、それは感染する。

アメとムチを使って成果を得ろ

ジョブズの賞罰は極端だ。誰もが人事評価のジェットコースターに乗っている。

物事を成し遂げるためには冷酷になれ

独特のやり方で業績をたたえよ

一見不可能なことにこだわれ

ジョブズはいかに困難な問題でもいずれ解決できると知っている。

偉大なる鬼上司たれ

恐怖心や相手を喜ばせたいという気持ちによって人々鼓舞すべし。

人をこき使え

ジョブズはたくさんのストレスを引き起こすが、スタッフは優れた仕事をする。

発明欲 イノベーションはどこからもたらさせるのか

顧客を見失うな

キューブが失敗したのは、顧客ではなくデザイナー向けだったから。

市場と業界を調査せよ

ジョブズはどんな新しいテクノロジーが現れるかを絶えずチェックしている。

イノベーションを意識するな

イノベーションの体系化はマイケル・デルのダンスを見るようなものだ。痛々しい。

製品に集中せよ

製品は全てを束ねる重力である。

動機こそが全て

最も大きな企業、最も金持ちの企業にあることではなく、優れた製品を作ることに集中すべし。

盗め

他人の偉大なアイデアを臆面もなく盗むべし。

つなぎ合わせろ

ジョブズにとって、創造性とは物事をつなぎ合わせることにすぎない。

学べ

ジョブズは芸術やデザイン、建築を熱心に学ぶ。メルセデスを観察しながら駐車場を走り回ることだってある。

柔軟であれ

ジョブズはアップルを特別たらしめてきた—-それゆえその飛躍を阻んできた—-長年の数々の伝統を捨てた。

退路を断て

ジョブズは最も人気が高かったiPodミニの生産を打ち切り、さらに薄型の新しいモデルを導入した。退路を断てば、後はやるしかない。

プロトタイプは必須

アップル直営店でさえ、他の製品と同じようにプロトタイプ、修正、調整をいう手段を経て開発された。

顧客に尋ねよ

人気のジーニアスバーは顧客の声から生まれた。

ケーススタディ iPod誕生の敬意

チャンスを逃したら必死で追いつけ

ジョブズは最初はデジタル音楽革命に気付かなかったが、すぐに後れを取り戻した。

チャンスを探し出せ

アップルはPC以外のエレクトロニクス製品を扱っていなかったが、ジョブズはどこかにチャンスがないかと様子をうかがっていた。

「いずれ来るベクトル」すなわち自分たちに資する広い世界の大きな変化を見逃すな

iPodは携帯電話産業主導のバッテリーやスクリーンの機能向上をうまく利用した。

期限を決めろ

ジョブズはiPodを秋までに店頭に並べたかった。残された時間は半年。厳しいがどうしてもクリアすべき条件だった。

アイデアの出所など気にするな

iPodのスクロールホイールは、アップルのマーケティング責任者フィル・シラーのアイデアだった。他の企業ではマーケティング担当者が製品開発会議に参加することさえないだろう。

テクノロジーの出所など気にするな、大事なのは組み合わせだ

iPodは単なる部品の総和以上の力を発揮している。

持てる知識を活用せよ

ゼロからスタートすることはない。アップルでは電源担当のチームがバッテリーを調整し、プログラマーがインターフェースを作った。最初からやり直していたら、半年で市場に出すのは不可能だっただろう。

自らのプロセスを信じよ

iPodは天才がいきなり閃いた製品でも革命的な大発明でもない。それはアップル実証済の反復デザインプロセスから生まれたものだ。

試行錯誤を恐れるな

ジョナサン・アイブの果てしないプロトタイプ制作と同様、iPodの画期的なインターフェースは試行錯誤の繰り返しを経て見出された。

チームを重んじよ

iPodにはひとりの創始者がいるわけではない。「iPodの父」はひとりではない。成功した製品の生みの親は常にたくさんいる。

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